龍鬼と私。
龍鬼sid


「あ、本当に寝てるし。」



机に伏せて10秒もたたずに眠った唯奈を海斗が笑う。
心中穏やかではない俊は、ダメージが大きかったのか、固まっている。




「本気で言ってる訳じゃないって……。」




楓が言うと、寝言が発せられた。



“本気だ、バカ!!”と…。




「コイツ寝てるの?」



亮汰が笑いながら言うと、身動きの取れない海斗が頷く。





「海斗ズルイ…。おいしい思いしてるね…。」




蒼空が言うと、これまたニカッ☆と頷く。



「てめぇ…後で覚えとけ。」



「え!?俺何もしてないし!!俊が唯奈を苛めるからだろ!?」




海斗の必死の弁解虚しく、俊は“うっせ”とだけ言った。



授業が始まっても起きない唯奈。
授業らしい雰囲気があるクラスではないのでそのまま会話も延長…。



「ぁあ…俺まで嫌われたのか…。」





思いっきり肩を落とす蒼空に亮汰が“ドンマイ”の一言。



「俺だって同じさ。ちょっと意地悪言っただけで…。」



拗ねる楓。
恐るべし唯奈効果。





end
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