その温もりを。
みんな思い思いに自分の課題をやる。

「なぁ。これってどーすればYは-4になんの?」

北見は数学の教科書をわたしに見せて顔を近づけてくる。


ドキッ

ち…近くない??

「こ…れは、1番の問題を使って代入するの。」

「ふーん。なるほど!さんきゅ!!」

ニカッと笑って北見は課題に戻る。


ふぅ…。

深帆の方を見ると、わたしを見てニヤニヤと笑ってる。

気持ちの悪い顔すんじゃないわよ。


わたしはレモンティーをゴクゴクと飲んだ。




「ちょっと休憩しねぇ?」

「そうだね。もう2時間やりっぱなしだし。なんかみんな頼もうよ。」

村上と星佳が提案してくる。

まぁ…だいぶ課題進んだし。

「じゃあそうするか」

みんな賛成してメニューを見る。

「琴名なににする?」

メニューを見ていた北見がわたしにもメニューを開いてさし出す。

「アンタは…なににしたの?」

「んー……オレはコレ。」

北見がトンッと指さした先にはチョコクリームがたっぷりのったチョコケーキ。

「こんな甘そうなの食べるの?」

正直言うとわたしは甘すぎるのが苦手。

「オレ、甘党だからっ」

ふーん……

わたしは結局フルーツゼリー。


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