その温もりを。
深帆は自分の恋バナ苦手なのに人の恋バナとかには食いついてくるなぁ。
「したぜ?今日だってさ、2人のつもりでメールしたのに『昨日のメンバーなら行く。』って言うんだもん。仕方なーく承諾したの。」
「はー。オレらジャマだったってわけね。」
「なるほど。」
武智と村上は呆れたようにうなずく。
「そんなことじゃないけどさ!」
北見はあわてて弁解する。
「まぁ…でもさ、琴名。頭ごなしに無理じゃなくてさ、オレのこと考えてよ。な?」
そう言われたのは夏休みが始まったばかりの蝉がうるさい午後。
「分かった………。」
でも、空はわたしに大きな隠しごとをしてた。
そんなことは知らずにわたしたちはまだ子どもな日々を送っていた。