その温もりを。
ってか、『久しぶり』って言っても

会ったの一昨日じゃん。

「その顔はなんだよー。」

ブツブツと言ってる北見をわたしを置いてく。

「あっ、琴名!!」

「もう…朝から大声出さないで…ってなに、この手。」

わたしの左手をなぜか握る北見。

ちょっとやめてくれませんかね。

「んー?愛情表現??そろそろ行かないと遅れちゃうよー」

北見はわたしの手を引っぱって歩き出す。

ちょ…

ちょっと待って……

このままじゃ、学校のみんなに見られかねない。

北見は転校当初から、『顔がいい』とか云々注目の的だった。

3年生の先輩も狙ってる人いるらしーし。

…面倒なことにまきこまれたくない。

「はっ…放して北見っっ……お願いだからっ!ねぇ…」

「どうしたの?いきなり。」

急に止まってわたしの顔をのぞきこむ北見。

ちょっ…近いっつーの!!


< 29 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop