その温もりを。
「誤解とかされて、面倒なことにまきこまれたくない。」
「はぁ?」
意味不明、という表情を浮かべる。
だからさ…嫌なんだってば!!
「北見はさ、そうゆうことしたいなら、他の子といればいいじゃん?」
「だからさー、オレは琴名がいいんだってば!!」
学校の前だというのに大声で言われた。
周りの人が一斉にこっちを見る。
恥ずかしいじゃんかっ!!
「わたしは…北見のことなんか
好きじゃない…し。北見のこと…
ちゃんと考えるって言ったけど……
こうゆうのは慣れてないから…ヤダ。」
握られた左手が熱い。
「…分かったよ。」
北見は手を放した。
「んー…でも、一目ぼれってのは本当だぜ?」
え?
「転校してきたときさ、
窓の外見てた表情(かお)すげー綺麗だったから。」