その温もりを。
「つきあうの?」
え?
すごい無表情でわたしを見る。
「どうした訳?北見」
深帆は不思議そうに北見に話しかける。
村上も武智も北見とわたしを交互に見る。
「だから…告白とかじゃないって。多分。
それに今、誰ともつき合う気ないし。」
わたしは優しく北見の手をほどいた。
「じゃ。行ってくるね。」
教室の入り口に立ってる先輩のところへ行くと先輩は口を開いた。
「あ…木下さん?オレのこと知ってる?」
…はい?
有名な先輩ってのは知ってる。
女子たちが騒いでるから。
現に今教室の中とか廊下の女子が頬を染めている。
でも、名前まで知ろうとかそんな興味まではこの先輩に持ち合わせていない。
「…すみません。誰ですか?」
「ははっ …3年4組の松田です。」
ふーん…。