その温もりを。

「先輩って確か…カッコイイって有名ですし、わたしより先輩にあうカワイイ子がいると思います。」


そう言ってわたしは校舎裏から立ち去ろうとした。


「待ってよ!!」


ガシッ!!!!!

右の手首を思いっきり強くつかまれた。

「痛っ……はなして下さい!」

何この人…怖い。



「なぁ、アンタさけっこー2年の中で美人って有名だぜ??

オレとつき合えばさ、お互いメリットあるし、モチベーション上がるだろ??」



ハァッ…と荒い息遣いをしてわたしに近づいてくる。

私は校舎を背に、先輩に追い詰められた。

「やめてっ…ください!!はなしてよっ…!!」


左手をふりまわすと先輩の右頬をひっかいた。


「っ……てめぇよぉ…!!このオレがわざわざ告ってやってんだぞ!!」


髪の毛をガシッとつかんで引っ張る。

痛いっ……!!


涙でうっすら視界がにじむ。


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