その温もりを。

「いいですか?先輩。次自分のためとかに

琴名に近づいたらブッ殺しますけど。」

なんてこと言ってんのよ…。

怖いんですけども…北見。

先輩は悔しそうに立ち上がって行ってしまった。

「な…んでみんないるの??」

え??

わたし1人だけ状況が理解できてない。


「次移動なのに全然帰ってきてないし。

そしたら北見が迎えに行くって言いだしたからさ。

みんなで捜しまわったの。」

「あの先輩ね?女の子に告白とかするとき…校舎裏に呼び出すって女の子達から聞いたから」


深帆と星佳はわたしを抱きしめながら話した。

「そしたら、木下。あの先輩に詰め寄られてっからさ。」

「そうそう。空がいてもたってもいられず、先輩を殴ったわけよ。」

うなずきながら、武智と村上が言う。


そうなんだ…。

「ありがと…。みんな」


「いいよ。そうだ、わたし達先に行ってるね。」

深帆と星佳はそう言って立ちあがった。


「…え?なんで!?みんなで行こうよ」

「琴ちゃん。北見くんすごい必死に捜してたんだよ。

お礼の言葉とか言っときなよ。」

< 36 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop