その温もりを。
「もーいいっ!!」
北見の腕を振り払って駅に向かおうとすると。
「はははっ、ごめんごめん。
ほら、今日はオレん家行くんだろ?」
北見はスルッとわたしの手を握って
駅とは反対方向へと歩き出した。
「先にショッピングモール見るんじゃないの!?」
今日の予定では、先に買い物をした後
北見の家で過ごす予定だった。
「それがさー…
今日、母さんが昼まで休みでさー。
琴名を見たいっていうからさ。」
!?
北見のお母さん!?!?
「ちょっ…ちょっと待って!!
なんで北見のお母さんが…わたしを知ってるの??」