その温もりを。

沙奈さんと北見が話していると

北見っていつもと違う感じがする。


いつもだったら、うるさいくらい元気なのに落ちついてるっていうか…。



「あっ、もうこんな時間!

ごめんね、琴名ちゃん。わたしもうそろそろ準備しないと…。」



楽しく話していると沙奈さんがイスから立ち上がった。


時計を見ると午前11時20分くらいを指していた。


「沙奈さん、何か用事あるの?」

リビングを出ていった沙奈さんの慌てように思わず北見に聞いた。


「…あぁ、仕事。

本当なら今日も朝から仕事だったんだけど

休みがもらえたんだってさ。」


…そうなんだ。


たしかに、今までみんなで北見の家に遊びに行ったことはあるけど沙奈さんはいなかった。
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