その温もりを。
冬休みが終わってしばらく経った頃から
北見に近づき出したあの子。
松原 彩香(まつばら いろか)。
「松原さんも北見に渡すのかねー…。」
何かを察したようにニヤニヤと深帆は言った。
「でもなんで今になって
松原さんは北見くんに
近づきだしたのかな…。」
星佳は首をかしげた。
「誰かを好きになるなんて急に感じるものなんじゃない?」
キャハハと廊下で北見の隣で笑う松原さんの声が聞こえる。
松原さんのことを言ったのに、
まるでわたし自身のことを言ってるように思えた。