不細工なあたし
+彼
ぼんやりとテレビを見ながらココアを飲んでいるうちに、ピンポンと部屋のチャイムが鳴った。
あたしがインターホンに出る前に勝手にドアを開けて早紀が入ってくる。
丈の短い明るい茶色のダッフルに、裾に品の良いフリルをあしらった短いキュロットスカート。
近づくとふんわりといい香りがした。
「準備できた?行くよ」
そう言って、早紀はあたしのマグカップを取り上げ、流しに置いた。
「はいはい」
重い腰を上げ、あたしもコートを羽織る。
今日は雪こそ降っていないものの外は冷えるはずだ。
帰りも、何時に解放してもらえるかよくわからないし。
夜になって日が落ちたら、それこそ手袋とマフラーが手放せない。
「ほら、早く」
早紀はもうすでに玄関でブーツを履いていた。
急かされてあたしも靴を履き、部屋を出る。
外は守られた家の中とは違い、やはり冷たい風が吹いていた。