不細工なあたし
……村瀬優一。
あたしの人生唯一の恋バナに出てくる男。
…あたしに好きっていってくれた、唯一の、男。
結局、告白のあとはまるで何事もなかったかのように友達、むしろ友達にも至らないクラスメイトの関係だった。
あたしも、村瀬くんも、あの日について触れることは一度も無くて。
だから、あたしは彼に謝ることもできないまま、彼を傷付けたという罪悪感を拭えないまま、中学を卒業した。
頭の良かった村瀬くんは、県内でいちばんの進学校に進んだんだと後で誰かから聞いた。
そんな高校にはいったんだからきっと大学で一緒になることもない。
だから、もうきっと会うこともない。
……そう思っていたのに。
成人式の後の同窓会ですら、会わなかったというのに。
まさか、こんなところで会ってしまうなんて。