【中編】『Love Step番外編』星に願いを
「…母さんは結婚しているのか?」
「さくらさん…いや、雪さんは春日家から浅井家に一族結婚の相手として白羽の矢が立っていた女性だったらしい。」
一臣さんの話によると翔さんがさくらさんを取り戻しに行った時に彼女の乳母と言う人と話をしたそうだ。
そしてわかった事実。
それは余りにも悲しい物語だった。
春日 雪さんは家のための結婚を控えていた。
巨大な鳥かごに閉じ込められ、全てを決められレールの上を歩くだけの何不自由のない人生。
ただの一度も自分の自由にならない巨大な力の中で生きてきた彼女は、たった一度だけ願った。
『生涯で唯一人の人と出会って恋をしたかった。それが叶わないなら、せめて結婚する前に一週間だけ家から離れ自由に生きたい』
彼女の切実な思いに、乳母の女性は彼女が家を抜け出す手助けをした。
そして彼女は消息を断った。
「さくらさん…いや、雪さんは春日家から浅井家に一族結婚の相手として白羽の矢が立っていた女性だったらしい。」
一臣さんの話によると翔さんがさくらさんを取り戻しに行った時に彼女の乳母と言う人と話をしたそうだ。
そしてわかった事実。
それは余りにも悲しい物語だった。
春日 雪さんは家のための結婚を控えていた。
巨大な鳥かごに閉じ込められ、全てを決められレールの上を歩くだけの何不自由のない人生。
ただの一度も自分の自由にならない巨大な力の中で生きてきた彼女は、たった一度だけ願った。
『生涯で唯一人の人と出会って恋をしたかった。それが叶わないなら、せめて結婚する前に一週間だけ家から離れ自由に生きたい』
彼女の切実な思いに、乳母の女性は彼女が家を抜け出す手助けをした。
そして彼女は消息を断った。