【中編】『Love Step番外編』星に願いを
時間も感覚もわからなくなるほど長く甘いキスに、あたしの意識が溶け出した頃、ゆっくりと唇を離しながら龍也先輩は静かに言った。

「…明日、俺も行っても良い?聖良のお父さんの墓。」

「え?」

「聖良のお父さんに挨拶したい。聖良を必ず幸せにするから聖良を俺に下さいって。」

「龍也先輩…。」

「明日、帰ったらその足でお父さんに会いに行こう、な?」

そう言うと、彼は少し身体を折ってかがむと、体重をかけて唇を寄せてきた。

龍也先輩はあたしの事をとても大切にしてくれている。

触れる唇から、指先から彼の想いが溢れるほどに感じる事ができたから…

「…はい。」

あたしは静かに瞳を閉じて彼を受け入れた。



< 46 / 79 >

この作品をシェア

pagetop