【中編】『Love Step番外編』星に願いを
柔らかな微笑で幸せそうにお母さんの話をした昨夜のあなた。

その幸せが永遠であるようにあたしの全てをかけて護っていく。

必ずあなたを幸せにしてみせるわ。


何度振り切っても押し寄せてくる不安を拭い去りたくて、龍也先輩の鼓動をもっと感じようと、あたしは彼に回した手に力を込めた。

それに気付いた彼は返事の代わりにあたしの両手にそっと手を添えてくれた。

ここへ来る時にも同じような事があったとふと思い出す。

ほんの昨日の事なのに、あの時と今では何かがまったく違う気がする。

それでも触れる部分から伝わる先輩の優しさが変わらない事に心のどこかで安堵していた。


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