【中編】『Love Step番外編』星に願いを
巨大な力に龍也先輩が奪われてしまう予感で心が不安定になっていたあたしは、余りに衝撃的な先輩の言葉に、思考と感情が完全にスクランブルして声すら出せなかった。

「龍也君。冷静になって?
あなたが今しなくちゃいけない事はあなたの立場を受け入れて行動する事よ。」

声も出せずに固まっているあたしに救いの救いの手を差し伸べてくれたのはママだった。

「おかあさんは反対ですか?
聖良が高校を卒業するのを待って結婚するのは早いと思いますか?」

「結婚に反対とか早すぎるとかそう言う事じゃないの。
あなたの立場が問題なのよ。」

「立場?…俺に何の立場があるって言うんですか?」

「龍也君はわかっていない。
お願い、落ち着いてよく聞いて?
春日はずっと後継者に恵まれていないの。
あなたの存在を知ったら、きっと龍也君を喉から手が出るほど欲しがるわ。」


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