片恋い想い。
*陵 side*
「先輩♪」
「…霞原?」
「つぎ、頑張ってくださいね」
「ああ」
日陰で休んでると霞原がやってきた
なんかコイツ変わったよな
時折、見せる切なげな瞳にそう思った
遠くで聞こえてくる梨菜の声に振り向くと神崎達と話をしてるみたいだ
あいつの声聞くと安心する
「やっぱり、先輩達って両思いなんですね」
「は?」
「いえ、なんでも…」
両思い?
誰が?
霞原の言葉が俺の中で渦を巻く
霞原は、梨菜を見ていた
意味が分かんねー
小石を拾い溝に投げ捨てる
「…陵?」
「和樹…」
なんでここにいんだ?
梨菜に似ててアイツの顔がチラつく
「なんかあった?」
「…俺にも分かんねーんだ」
そんな俺を和樹は複雑そうな顔をして見ていた
なんでこんなに苦しくなるだよ