恋の戦國物語

「は…?」

少し、男の人の言葉使いが気になる。
っていうか、今時「何奴」って古くない!?

「貴様、何やらおかしな着物を身に纏っているな。何処の者だ」

半ば怒っているような声で、話を続ける男の人の顔を確認しようと振り向く。

…と同時に耳元で一瞬ヒュッと音がする。



――トンッ
その瞬間、後ろに何か突き刺さる音がした。

あたしはそれが何なのか、わかった気がする。

恐る恐る後ろに目をやると。

「っ!!」
そこには鋭く細い矢が自分の真後ろの木の幹に深々と突き刺さっていた。

「チッ。どこから来たのか早く応えよ。でないと次こそ射るぞ。」

直ぐ様矢を飛ばした人物に目をむける。


そこには弓を持った灰色の着物を着ている男の人が立っていた。

すらっとした体格に、きりっとした目。
見るからにさらさらそうな、整えられた短い黒髪が風に揺られている。

そして…あたしより身長がはるかに高い。



まさに、大河ドラマにでてきそうなイケメン俳優。


…のような人。

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