恋の戦國物語

――…

大満足なあたしは上機嫌で部屋へ戻る。

「うまかったか?」

政宗は、息を着いて床に座る。

「うん!すっごく美味しかった」

にこにことするあたしを見ながら、政宗は「そうか」と微笑んだ。

政宗ってやっぱ優し…。

ぼーっと政宗を見つめていると、小十郎はあたしのカバンを見るなり無愛想に聞いてきた。

「…この中には何が入っているのだ」

あ…、修学旅行の観光に持っていった物とかが入ってるんだっけ。

「ちょっと待って」

あたしは大きめの茶色のカバンを手に取ると中を探る。

「怪しいものは入っていないのだろうな」

「こら、小十郎。少し口を慎め」

「…は」

後ろから政宗に怒(?)られ、渋々あたしの後ろから覗いてくる小十郎と、少し覗くように見てくる政宗。

「ほう。見たことないものばかりであるな。…説明してくれ」

政宗はカバンの中を黙って見つめながら子供の様にずいっと寄ってくる。

タイムスリップしてしまったから、中にちゃんと入っているか心配だったが、中身はここに来るまでと全く変わっていなくて少し安堵した。


「えっ…と、これはカメラっていうの」

カバンの一番手前に入ってあった、百合と先ほどまで米沢城を撮っていたカメラ。

一か八かで電源を入れてみる。

…あ、入った。


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