恋の戦國物語
―…眩しい――――
「――…っ」
「愛!」
瞼をゆっくりと開くと、小十郎があたしの真上から見つめていた。
ギャッと咄嗟に小さく悲鳴をあげると、小十郎は怒ることなく安堵の息をもらした。
「何回倒れるんだ、そなたは…」
まわりを見渡すと、あたしの部屋で、あたしは布団にくるめられていた。
「ごめんなさい…」
ふと、記憶を辿っていく。
着物を来て、政宗の部屋にいったけど…1人にしてと言われて部屋を出た。
そこから、記憶がない。
頭ももう痛くないし、めまいもしない。
病気…では、ないはず。
じゃあ、あれらは何だったのか――?
ただ、…政宗が何に対して悩んでるのかも気になる。
あたしには関係ないってことは、分かってるんだけどね?
「…はー…」
自分にとっての悩みもたくさんあり、ここに来て、ため息をせずにはいられなくなった。
相当ストレス溜まってるね、あたし…。
お互い何も言わず、今何時なのかなーなんて、ぼんやりと考えていると。
「…政宗様と何かあったか」
いきなり、小十郎は一切目を合わせず、ストレートに聞いてきた。
…そういえば、小十郎が目を合わせてくれない、っていうのもモヤモヤする悩みの1つかな。
「…聞いておるのか」
あたしが別のことを考えていて返答をしないと、少し怒ったようにいう小十郎。
何でそう、すぐに返答要求するかなぁ?
今にも逆ギレしそうな自分を自分で抑えながら、ゆっくりと起き上がり、手で髪をすく。