ハートの滴

「お前の嘘はすぐにわかるんだよ!」

「みんなにはバレてないから大丈夫」

「嘘つく意味がわかんねえ」

「分からなくていいし」

陸は正直者

嘘をつかない


「好きならスキって言えばいいだろ!」

「すきでもいえないの!」

「それって勇気が無いだけじゃね?」

「うっさい!」

私は
陸の顔に黒板消しをぶつける


「ぐっふおんっ、おまっ、何すんだよ!ごほっごほっ」

咳き込む陸

それを見て
笑う



いつも

こんな感じ

楽しい

笑えてくる


「顔真っ白」

「うっせっ!お前のせいだろ!」

「陸がうざいから」

「うざいってホントのことだろ!」

「私は黙ってないといけないの!」

「そんなの時間の問題だろ!いつか黙ってるだけじゃ苦しくなってくる」

「そんなの大丈夫だよ!私3年も我慢してんだから」

「あっそ。まあずっと我慢しとけば」

そういって

陸は顔を洗いに

手洗い場に行く

私は

ジャンプしながら

黒板を消す


「芽衣!お前ちっさ!」

そういって

近寄ってくる

隼人の声


「うっさい!」

そういって

陸と同じようにしてやろうと思って

振り返る



でも

その手を掴まれる

「貸して」

そういって黒板消しを取られ

黒板を消す

「どうして・・・」

「さっき見てたから陸が顔面に黒板消しぶつけられてるの」

恥ずかしい・・・。

「あれは陸が悪いんだよ・・・。」


隼人の顔が近づいてくる


「粉かかってる」

そう言って

髪を

くしゃくしゃと

触る

その手に

私は

辛くなる


私のものにならない手


触らないで


・・・

触って

もっと触ってよ

私だけを触ってよって


そう

願ってしまうから
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