全ては朝焼けがくる前に。





『ね、人事部の片桐康太部長、カッコよくない??』



あたしが所属する人事部の前を、二人の社員が興奮気味に通った。



きっと、部長を一目見ようと
ワザと人事部の前を通ったのだろう。



白々しく、中を覗いている。



『だよね~。人事部の人、羨ましい!!』



それでも、“羨ましい”なんて言われて
悪い気はしない訳で。



“いいでしょ”って心の中で返しながら、二人の前を通り過ぎた。




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