全ては朝焼けがくる前に。





思わず足が止まった。



『え……』



情けない声が口から零れた。



必要以上に部長とは話さないから、何も知らなかった。



調べるなんてことも、出来なかった。





奥さんが、いたんだ……



それならあたしが部長に恋していては駄目だ。



もしあたしが奥さんなら、誰かが部長に恋してる、なんて嫌だ。



子供っぽい考えかもしれないけど。





この日、あたしは部長への想いを消したはずだった。




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