全ては朝焼けがくる前に。
出張先の大阪に行く為、新幹線へと乗り込んだ。
駅弁とお茶を机に置いて、流れていく景色を眺めた。
『俺を置いて行くなんてな』
不意に聞こえた不機嫌そうな声に、思わず体を凍ばらせた。
『部長…?!』
どうしてここに?!
そう言わんばかりに見つめると、部長は呆れたような声を出した。
『松原、お前ちゃんとプリント見たか??俺も行くこと、書いてあったはずだが』
え…嘘っ?!
慌ててプリントを見直すと、確かに部長との出張だった。