甘党狐とココア。
カランカラン…
ココは何処からか、あのカフェについた鈴が扉が開くときになるような、
そんな音を聞いた気がした。
くねくね曲がった、路地裏。
すべて白を基調とした不思議な路地裏にココが迷い込んで1時間立つ。
今日16歳になったココは、居場所を感じない家からいつもみたいに抜け出してふらふらしていた。
そんなとき、四つん這いにならないと通れないくらい、小さな扉を見つけた。
その小さな扉は町外れの空き家の裏にあった。
誕生日なのに誰も自分を覚えてる人なんかいない。
母は毎日男と遊んで、
父はとっくのまえに この世を去った。
大嫌いな母だけ残して。
そんなムシャクシャした気持ちだったココは
(いっそ違う世界に行ってみたい…)
そんなことを思って小さな扉を開けたー…
それが不思議の始まりだった。