甘党狐とココア。



扉を開けるとそのままずっと真っすぐ、小さな通路が繋がっていた。



あまりに狭く、四つん這いで進んでもぎゅうぎゅうくらいの狭さ。


もし入ったら広い所に出るまでもう出られない。


Uターンするスペースはないと思う。



ココはごくりと唾を飲んだ。


ちょっと怖い、けど。




もし自分が死んでも誰も悲しまないのだと思い出した。


ココは急に恐怖がきえたのを感じてそのまま這うように通路を進んで行った。






-・・・しばらく進むうち小さな扉がまたあった。


青いさっきと同じくらいの扉。


「開く…かな?」




ココは息がつまるような狭い通路からぬけられるかもと思い そっと扉を開いた。





「わぁ…」




扉を開くと、一面白でうめつくされた 広い路地裏に出た。




ココは立ち上がり、伸びをした。


そこはココが暮らしている町となんら変わりない町並だったけど一つ違うのは白色でうめつくされているところだった。



上に小さく見える空と自分の姿以外色がないみたいで。



ココは不思議な気分になった。





カラ…ン……カラン…




そして、またあの音が聞こえた。


ココは導かれるように白い道を歩いていった。

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