甘党狐とココア。


永遠と続く白い道を歩き続け、 1時間たった。


「迷っちゃった…」


帰り道が、わからなくなった。


もともと入ってきた小さな扉の位置もわからない。



真っすぐ進んできただけのはずなのに方向感覚がすっかりなくなっていた。



「もう疲れたぁぁぁ…」



ココはそう言うとぺたりと座り込んだ。


耳の横ではねているクセのある毛をさっと撫で、うずくまる。


ここでこのまま、ぼぅっとしているのもいいかもしれない。



たぶん死んじゃうけれど。


そんなことを思いながらココはうとうとまどろんだ。



白しかないこの場所にも
太陽のぬくもりはふってくる。







…ラン…カラン…






「…あ」



また、あの音が聞こえた。


ココははっと顔をあげ、立ち上がるとキョロキョロと辺りを見回した。


すぐ先で聞こえる。


ココはふらふら導かれるように音のもとに歩いていった。



…カラン、カラン…


ココは門を曲がった。



そこには小さなカフェがあった。

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