甘党狐とココア。
ー…そのあと。
ココはダニエルを呼んだ。
場所がわからなくて、力いっぱい叫んだ。
耳の良いダニエルはココが叫ぶ場所に気がつき、ルクを運んでくれた。
あのカフェに戻り、ルクを部屋に運ぶとココは
きちんと治療をしてルクの傍に寄り添った。
もう、決めたから。
この場所で、ルクの傍に居るって。
ダニエルには"苺の血"について詳しく聞くことにした。
ココが傍らに寄り添ってしばらくしたころ、ダニエルは部屋にやって来て困ったように目を伏せた。
「誰にやられたんだ?ココ、覚えてるか?」
ダニエルは青い瞳をココに向けて、そう聞く。
…あまりにも、疲れていて。
ココは小さく答えた。
「…ノエル…そう言ってました」
ダニエルの瞳が驚いたように見開かれ、そして。
「お前もさっそく面倒な奴に目、つけられたな」
ダニエルはため息をつきココの正面に座った。
「ノエルは言ってただろ?"苺の血"がほしい、とか…」
ココは頷く。
それが何なのかはよくわからないけれど…
ココはダニエルに向き直り真剣に聞いた。
「…どういうものかちゃんと教えてくれませんか?」
ダニエルは予想通り、というように頷いた。