甘党狐とココア。
「私が買ってきたんです!人間界にしかない、めずらしいのもあるかと思って…」
そういってココが、紙袋の中身をばらまいてみせると二人はさっさとそれをあさり始める。
「ココ、これは何?」
ルクがそう言って取り出したのは。
星みたいな形をしたこんぺいとうだった。
ルクは黄金色の瞳に不思議そうな表情を浮かべてこんぺいとうを見ている。
「ふふ、それはこんぺいとうって言う甘いお菓子ですよ」
ココの居た場所でも、あまり売っていなかった外国のモノ。
ココは甘いそれが大好きだった。
ルクはニオイをかいだあとぱくりとそれを口に含んだ。
「…おいしい」
ルクは黄金の瞳を輝かせ子供みたいに微笑んだ。
ココもつられてにこっと微笑む。
たくさん買ってきて、よかった…
「俺も食べたい、わけてくれよ」
ダニエルもそう言ってこんぺいとうに手をのばすけれど。
「無理。これは今から僕のものになったから」
そう言ってルクはダニエルの手を叩く。
ダニエルは不満げに唸ったけれどやがて棒つきキャンディーが気に入ったらしくそれを食べはじめた。
ココはよかった、と小さく微笑みをもらす。
ココも何か食べようと手を伸ばしたときー…
コロン、コロンー…
妖界からの、カフェ入店の知らせがなった。
お、お客さん!?
ココはあわててルクを見るけれどルクはこんぺいとうを頬張りながらちらりと扉を見るだけ。
そして次の瞬間、"バンッ"と音を立てて扉が開かれた。