初恋は涙の味
まぁ、これでチャラ…だよな。



…ただ、今日の合コンが終わると…

もう会えない。
そんな考えが頭の中をこだまする。

会えない?
そんなの…嫌だ。

「なぁ、アドレス教えてくんねー?」

気付いたらそう話す俺の口。
相手もやっぱり驚いている。

「え?」
なんだよ…疑問系かよ。
普段の俺ならこれで引き下がる。
…だが、今回は…

「だから、アドレス教えて?」

引き下がらない。
絶対聞いてやるんだ…
しばらく悩んだ顔をしていた稔。
だから、わざと稔を涙目で見つめた。

稔の顔が赤くなる…ってか…萌えてる?

おい…俺は男だぞ…

やっぱり面白え…

しばらくすると、小さな声で
「いいですよ…」
と言っている声が聞こえた。
俺はそれを見逃さなかった。

笑顔になる俺の顔…って…
これじゃ、悠みてぇじゃんかよ…

その後、赤外線でアドレスを交換した。


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