初恋は涙の味
…あ…
迷子とか言われても…
「あいつ、どこいんだよ?!」
第一、俺はこの地区のことすらあんまり知らねーのによ…。
まぁ、でも…
うちの会社のアレがあれば探せるハズだな。
俺は、公園の前にとまっているベンツに乗り込んだ。
「わりーけど、アレ使いてーから家戻ってくんね?」
「かしこまりました。」
そう言うと、運転手はニヤッと笑った。
は?なんで笑ってんだよ?
口には出していなかったが、顔には俺の考えていることが出ていたらしい。
「い、いえ。ただ、そこまでお坊っちゃまが尽くす相手は初めてなので…」
運転手は焦りながらそう言う。
ただ、面白いからだし。
別に…そういうんじゃねーし…
そう思うのに、口に出せない自分がいた。