夏風に吹かれて…(仮)
おばぁちゃんだ。


「起きてるなら早く支度してごはん食べてちょうだい」



「…はぁぃ」



私は、訳あっておばぁちゃんの家で暮らしている。高校時代からずっとだ。



実家には帰りたくない。


またあの悪夢の日々がフラッシュバックされる。




高校時代に経験したあの出来事…


思い出しただけで吐き気がする。





私の、誰にも言えない秘密だ。



「ごめん、おばぁちゃんもう行くわ」


ごはんもろくに食べず、家を出る。


「みーちゃん、もういいのかい?」


心配そうに見つめるおばぁちゃん。






あの日…泣きながらおばぁちゃんの家に駆け込んで、一晩中おばぁちゃんの胸で泣いていた。


そんな事があったのに、何も聞かずに受け止めてくれたおばぁちゃん。




今の私の唯一の支えだ。


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