夏風に吹かれて…(仮)
「やったぁ!やっぱマスターは優しいね」




そう言って、マスターのスペシャルカクテルを一口飲み、他のチームのパフォーマンスを何気なく見ていた。





「…なぁ、あっちの奥行かねぇ?」


ん?どこかで聞いたような声。そして目の前を女の肩に手を回した長身の男が通り過ぎて行った。



「あいつって…」



せっかく忘れていたあの男の事を思い出す。


「…あいつ、何でここにいんの?」



奥の方に消えて行った男と女をなんとなく好奇心で後をつけていく。






「…ねぇ、ここじゃまずくない?絶対人来るし…」

「…んなの別にいいじゃん」

「別に好きでも無いくせに…」

「…は?何今さら、好きじゃなくてもいいっつったのそっちじゃん」

「…最っ低!!もういい!帰る!」




そう言って女は私の目の前を走って通り過ぎて行ってしまった。



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