夏風に吹かれて…(仮)
影からその光景を見ていた私はつい言葉を漏らす。



「…本当最っ低」



"やばっ!"



声がでか過ぎたと言ってすぐに手で口を抑えたが遅かった…






「…誰?」


長身の男が私の視界に入ってきた。

とっさに私は方向転換して逃げようとするが
「…おい、待てよ!」
と言ってグイッと腕を掴まれた。

「…何でお前がここに居んだよ」




こいつと話すつもりは無かったが、仕方なく私はここに居る理由を話す。せっかく今日のメインイベントに出演してるって言ってるのに全く興味が無いかの様に「ふーん…」と流された。





「…ていうか追いかけなくていいの?店出て行っちゃったよ?」

「…あぁ、いいよ別に…」

「別にって…彼女でしょ?」

「…ちげーよ」

いかにも面倒くさそうな顔で答える。

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