夏風に吹かれて…(仮)
「わりぃな…拓也おそくなったわ」



そう言って現われた彼は、一言で言ってしまえばどう見てもチャラ男にしか見えない男だった。

確かに身長は高くて顔も悪くはない。
きっとモテるだろう。


だけど飲み始めて拓也と仲良さそうに笑い合ってはいたが、その笑顔の合間に一瞬見せる冷たく哀しそうな瞳がどうも気になった。




「はじめまして。俺瞬ね!よろしく」

「あ!どーもはじめまして。美来です」




さすが女に慣れてるかのように声をかけてきた。



「俺3日前に彼女にフラれてさ…ちょっと慰めてくんない?」


いきなりの軽々しい言葉にイラっときたが、私はそのまま聞き流していた。やっぱりただのチャラ男だ。



さっきの冷たい哀しそうな目は見間違いだったのか…。



「ごめんね~それは親友の拓也君にしてもらってくださ~い♪」


私もその軽々しい言葉に悪乗りして返してやった。


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