夏風に吹かれて…(仮)
~♪♪~♪~~
〈着信:拓也〉
バイト終わりに拓也から電話が入る。
終る時間を見計ってかタイミングが良過ぎる。
「…おう」
「あ!瞬お前今から暇?」
「…暇だけど何だよ」
「俺ん家こい!んじゃな!待ってっから」
ツーツーツーツー…
「おい…なんだよ…」
…こいつはいつもそうだ。まだ良いとも言ってないのに勝手に事を進めてしまう。
美来との時もそうだけど、突然に話を持ち掛けて、勝手に話を進めてる。
…まぁ、俺も断る理由も無いから受けるだけの話だけど。
「おっ!思ったより早かったじゃねぇか」
拓也はお決まりのスエット姿で煙草を片手にアパートの玄関を開けた。
相変わらず汚い部屋だ。