とある神官の話
んなこた知るか。
飄々として、何を考えているのかわからない。だが、彼はこうみえて真面目だということはわかっている。だが、真面目だと言いたくない本音もある。
にたにた顔をしたままのハイネンに気持ち悪いと言ってやる。昔からそうだ。こいつは――――「ヘーニル」
にたにた顔から一変。はっとするような真面目な顔となったハイネンに、俺も気が引き締まるような気分になる。生きた時間の差だろうか。見た目が若いくせにこう、威厳というか、そういう緊張感を与える。
真面目な顔をしているハイネンだなんて。俺は今度はなんだと言葉待った。
「貴方は、味方でいてくださいね」
「お前――――」
ふっと微笑む。多分その辺の娘ならは落ちる笑み。馬鹿野郎。俺は男だっつうの。柄にもなくやや照れそうになった俺を無視し、ハイネンはしわしわになった先程の紙を受け取る。
何をしようとしているんだ。
言葉はでかかった。だが発せられることはなかった。