~君という光~
あたしは父と目が合わないようにお母さんの方ばかり向いていた。

あたしは”お父さん”なんて呼べない。
”お母さん”なら普通に何の抵抗もなく言える。
でも、”お父さん”だけはどうしても口にしたくなかった。
別に父に悪いところがあるわけじゃない。
でも、あたしが恐れている人だから。


あたしはずっとお母さんの方ばかり向いていた。


準備を終えたお母さんはおいしそうな料理が並んだテーブルの前に行き、椅子に座った。
あたしもお母さんの後について座った。

父はすでに座っていた。






< 110 / 173 >

この作品をシェア

pagetop