～君という光～
「あたし、さんざんつらい目にあってきたのにね…。」

自然と涙が出てくる。
ずっと我慢してたのに。

「でも、そんな風に誰かをひどく扱うには何か理由があったんじゃないかって思って、鈴音に”誰かに裏切られたことでもあるの？”って聞いたんだ。そしたら、涙を流しながらあたしを強く押した。以上だよ。」

ずっと真剣にあたしの話を聞いていた透真は

「本当にそれだけか？他に鈴音に言われたことがあるんだろ？」

と言った。
図星だ。でも、鈴音が透真のことを好きだということはどうしても言えない。
だから、

「死ねって言われただけ。」

「なんでお前はそんなことを言われても普通にしてられるんだよ。
　なんで俺に言おうとしてくれなかったんだよ。
　俺が聞かなかったら俺はそのことを知らないままだったじゃないかよ…。」

そういって透真はあたしを強く抱いた。そして

「強がるな。無理するな。本当はもっと泣きたいんだろ…。」

と優しい言葉をかけてくれた。
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