~君という光~
何粒もの雫があたしの手に落ちるのと同時にあたしの手を握っている手の力が強くなってきた。

今、そばにいるのが透真だったらいいのにと思ってしまう。

あの声は透真に似ているだけであって透真だという証拠はない。

目を開けばいいだけの話だけど、怖くて開けない。

それに、あたしが透真と最後に会った日、あたしは透真にすごくきつい言葉をかけて部屋から追い出してしまったんだ。

こんなひどいあたしのそばにいたいなんてありえない。

だから、今あたしのそばにいるのは多分透真ではない…。

そうなんでしょう…?

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