~君という光~
だれだ、こいつは。


「あれ?しらんの?
  俺、お前と同じクラスなんだけど。」

あたしの心を読むかのようにあいつがきいてきた。


「しらん。
  あたし、誰一人しゃべったことないし、
  名前も覚えようとしないから。」



「そうなんだ。」


「そう。」

冷静に答えたあたしはその場から去ろうとした。

その時、
「俺の名前
  秋谷 透真(あきや とうま)
  っていうんだ。
  覚えといてよ。」

なんであたしに構うんだ。こいつは。

「わかった。」

多分すぐ忘れるだろう。

「じゃ、またな。」

そういって透真は去って行った。

< 7 / 173 >

この作品をシェア

pagetop