ただ、思って・・・ただ、愛して・・・
「美花・・・」
「ん?」
えっ・・・ちょ、ちょっと・・・
何してんの・・・何やってんの。
やめて、やめて、やめて!
昼間の明るい太陽の光で作られた二つの影が
ゆっくりと重なった。
なんで・・・よりによって私がいるときに・・・
なんでよ・・・やめて・・・これ以上、苦しい思いさせないで。
私の気持ちも考えてよ・・・
ただ一つ涙がこぼれた。
また一つ、二つ、三つ・・・止まらず涙はこぼれていく。
キスされて照れくさそうにしている美花。
その後美花を抱きしめる修也。
もう・・・私の気持ちは修也には届かないのだろうか。
もう・・・諦めたほうがいいのだろうか・・・
もう嫌だ・・・
「二葉?」
この声はまた石原だ。そんな気分じゃないんだ。話しかけないで。
「無視?二葉?」
「話しかけんな!!!」
思いっきり怒鳴ってしまった。すまん・・・石原。
その声が聞こえていた修也たちは私の存在に気づき帰って行ってしまった。
「二葉・・・お前どうした?」
「何もない・・・彼女と一緒に帰れば?私はもう帰る。」
「いやいや・・・てかお前なんで今日テスト受けてないんだよ。」
「熱があったし気分悪かったし、受ける気なかったから。」
「・・・お前さ、なんで泣いてたの?」
「今その話、関係ないじゃん。」
「まぁそうだけど・・・」
「そんな優しい言葉、彼女にいってあげたら?てか私、彼女に勘違いされたくないから帰るわ。」
「おい!ちょい待てって。」
「・・・」