ただ、思って・・・ただ、愛して・・・
石原は私のベッドの横にすわった。
なんか違和感がある…
私は毛布をかぶって壁側に寝返りした。
「おい、そっちむいたら顔見えねえだろ。」
「見なくていい…」
「状態がわかんねじゃねか…」
「…」
いちいち世話のやけるひとだ。いかもこいつ、彼女はどうなんだよ。
「石原…彼女は…?」
「あぁ、いまさっき別れてきた。」
「はぁぁぁ!?」
私は思わず起き上がってしまった。
「何そんなに驚いてんの…?」
石原は驚いた私に驚いている。
「いや…なんで…別れたのかなと…」
すると石原は笑って、
「もともと好きで付き合ってたわけじゃないし。」
この時私は石原のことを最低だなと思った。
もともとは、彼女のほうから告白してきたのだという。
彼女は本気だったらしい…。
でも、それに対して好きでもないのに付き合ってたなんて…
そんな都合のいい話があるか。
石原の元カノがかわいそうに思えた。
彼女も石原を信じて今まで付き合ってきたはずだ。
好きでもなのに…付き合うのか…
「おい?…美琉久…?」
「えっ!?」
石原が私の顔を覗き込んできた…