ただ、思って・・・ただ、愛して・・・
今、私の名前を呼んだ瞬間…なんか変だった。
血が一気に引くような…変な感じで…
気分が悪いせいだろうか…
「どうした?」
「いや…なんでも…それにしても、あんたひどいよ。」
「え?」
「好きでもないのに付き合うとか最低じゃん。お互い好きだから付き合うんでしょ?」
「…」
石原はなにも答えなかった。
この時の石原はなにを考えてたのかは私にもよくわからない。
でも、一気に顔が明るくなって、
「付き合うとか人の勝手じゃね。」
「ま、それはそだね。変に首突っ込むところじゃないね…私が。」
すると石原は私のベッドに腰を掛けて手を取った。
「ちょ、なにすんの!!」
「少し手相みせて。」
…手相…?
手相…前にもこの光景が…
「…ッ!!!」
激しい頭痛が走った。
「お、おい!美琉久!」
やめて…その名前で呼ばないで…
余計に…
そして、私はそのまま意識を手放したのだった。
《ねぇ、手相みせてよ?》
《手相ってなぁにぃ?》
《手を見せて?》
《うん。》
《あ、僕と手相が似てる。》
《ほんと??》
《うん!きっと…もいっしょ…》
《え?なんてった?》
《……だ…ずっと…だ…》
「…く!……美琉久!!」
「……!!」
私が目を開けたらお母さん石原がいた。
「あんた、大丈夫?」
「うん。」