ただ、思って・・・ただ、愛して・・・
「なぁ、美琉久。」
「何?」
「卵焼きちょうだい。」
「はぁ!?」
いきなり何を言い出すかと思ったら。おかずちょうだいかよ。ま、卵焼きぐらいなら・・・
「いいよ。」
「っしゃ。じゃぁついでに唐揚・・・「ダメ。」
「チェッ。」
なんか舌打ちされたんですけど。ま、修也やけ許す。私は弁当箱ごと突き出した。すると修也は弁当箱ごと奪った。
「ちょ、ちょっと!」
「いっただきぃ!」
しかも、箸まで私のつかってるしぃぃ!ホント修也は何を考えているのかわかんない。こうやって期限がいいときもあれば、今日の朝みたいに無視されることだってある。そこんトコロは私にもまだわかっていない。
「あ、修也くんっ!」
「お、美花!」
美花?誰それ?あ、そうか彼女か。私ここにいちゃいけないよね。
「修也くん。それ誰の弁当?」
「お、これか?これ美琉久の。」
そういうと美花さんは私を一瞬だけ睨んだ。だから私はさらに睨む。
「私もこんど弁当作ってきちゃおうかな。」
「マジで!?俺、美花のてづくり弁当食べてぇ。・・・あ、美琉久ごめん。ありがと。」
「うん。」
私は修也に弁当箱を返してもらった。すると美花さんは修也にべっとりくっついた。
「おいっ、ちょ・・・美花!?」
「二葉さんっ。今から修也くんとお話するの。だ、か、ら。出て行ってね。」
「言わなくてもそのつもり。」
このぶりっ子やろうが!と心の中でつぶやいて私は弁当箱を持って教室に帰った。