謎めく悪魔と1ヶ月
「うわぁ……!!」
スゴイ!今、空を飛んでる…!魔界だから、赤い紫色の空に濃いビビットピンクの雲が浮かんでいて、とても幻想的…。
喜んでいる私を見て、メジが優しく微笑みかけてくる。メジの瞳って紫色なんだ…。淡い紫の髪と濃い紫の瞳…。単純に綺麗だと思った。
「雅ちゃんって、キレイな肌してるよね」
「え…そう?キレイってか手入れすらもしてないんだけど」
これは真面目な話。周りのみんなは美容液だのパックだのって頑張ってるけど、はっきり言ってメンドくさいんだ。
「でも白い肌が雪みたいで美味しそうだよ?」
「おいし…っ///」
「うん」
そう言ってまたクスクス笑う。完璧にからかわれてるよね、私。でも、こうしてみるとメジって悪魔というよりは吸血鬼ってカンジがする。…なんでだろう?
「メジってさ、吸血鬼みたいだよね」
「え…?」
何気ない話題だったはずなのに空気が一瞬で重くなった。メジの顔から笑みが消えた。
「メジ…?」
「ごめん。この話やめよう」
いつもはニコニコして喋ってくれるのに、目が笑ってない。心から嫌なんだな。理由は関係ない。この話題は避けたほうがよさそうだ。
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