謎めく悪魔と1ヶ月
「…っ」
上の方から、メジが息を呑む音が聞こえた。


どういうこと?
二人は知り合いなの…?


「助けなくていいのか?臆病者め。これだから一族の恥だなんて言われ続けてきたんだ。違うか?」
男は挑発を続ける。


待てよ?一族の恥…?
という事は、メジも…吸血鬼ってこと!?

頭が混乱する。
あれ?でもメジは悪魔なんじゃ…。
あ、でも私も相手が見つかんなきゃ悪魔やるんだよね。
ってことは悪魔って職業みたいなもんなの?

どう考えても答えは見つからない。
…というか、余計に混乱した気がする。

「う~ん」
思わず声に出てしまった。


「ふふふ。面白いお嬢さんですね。こんな状況で考え事とは」
今までの口調と違う。メジにだけキツイ言い方なのだろうか。


「何を考えていたのですか?私に抱かれている状態で、他の男の事を考えるとは…。いけませんね」
お前は、私の彼氏か。思わず突っ込みたくなったそのとき。
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