タイトルなしの物語
「父さんからのアドバイスか…」
俺は少し笑えた。
いつも大河につきっきりの両親。
知らない間に大河に嫉妬心を抱いていた俺。
本当は大河が弟で嬉しいのに…。
素直に会話ができなくなっていた。
そんな俺は、朱莉と付き合ってから、前より家族と話すようになった。
俺だけじゃなく、大河も母さんも父さんも朱莉のことが好きだ。
特に大河は、本当の姉みたいに慕っている。
何もかも朱莉のおかげだ。
いくら感謝してもしきれないな…。
「ん…何か考えてみるよ」
俺はそう言って、小さく
「ありがとう」
と言った。