タイトルなしの物語
scene11<懐かしき幼馴染>
「…咲花?」
放課後、私は隣のクラスを覗いた。
そして、咲花の面影がある女の子を見つけた。
「え…!あか…」
咲花は言い終わらないうちに泣いちゃった。
「え…咲花?咲花?」
私はただただオロオロした。
「朱莉…だよね?」
咲花は身長が伸びて髪も長くなっているけど、昔からのかわいい笑顔は変わっていなかった。
「うん。ごめんね?気づけなくて」
「何言ってるの?ま、私は編入してすぐに分かったけど?」
そっか…咲花は編入生になるんだ。
「ね、どうして言ってくれなかったの?」
私が聞くと、少し寂しそうな顔をした。